開催概要
2026 年 5 月 23 日(土)21:00 JST に AtCoder Beginner Contest 459(ABC459 / 東京海上日動プログラミングコンテスト 2026)が開催されました。スポンサー回らしく A〜G の 7 問構成(通常 ABC の 6 問より 1 問多い)、開催時間も 100 分でした。
問題は私(あとこ)自身がまだ解いていないので、本記事は X 上で参加者の方々が共有してくださった解法・感想を要約・引用したもの です。事実誤認があればぜひ教えてください。
順位概況
参加者は 12,552 名。今回も巨大エントリの ABC でした。
| 完答数 | 人数 |
|---|---|
| 7 完(全完) | 10 名 |
| 6 完 | 226 名 |
| 5 完 | 1,782 名 |
| 4 完 | 2,233 名 |
| 3 完 | 2,186 名 |
| 2 完 | 4,002 名 |
| 1 完 | 661 名 |
| 0 完 | 1,452 名 |
全完わずか 10 名。100 分の中で 7 問すべて通せた人だけが top 10 入りという、上位差別化がくっきり出る配置でした。一方で 2 完が 4,002 名と一番厚い のは、A〜B(実装系)まではほぼ全員が抜けて、C・D の中盤帯で大きく振るい落とされた構造の典型です。
問題ごとの AC 数:
| 問題 | タイトル | AC 数 | AC 率 |
|---|---|---|---|
| A | Hell, World! | 10,847 | 86% |
| B | 459 | 10,391 | 83% |
| C | Drop Blocks | 5,489 | 44% |
| D | Adjacent Distinct String | 5,278 | 42% |
| E | Select from Subtrees | 2,174 | 17% |
| F | -1, +1 | 299 | 2% |
| G | Golf 2 | 13 | 0.1% |
A → B → C → D → E が 86 → 83 → 44 → 42 → 17% と C と E でガクッと段差、そして F が 2%、G が 0.1%(13 名) で上位帯がきれいに切られています。
上位 10 名(全完者全員)
| 順位 | ユーザー | タイム | Pen | レート | 所属 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | U_no_who | 75:42 | 1 | 2027 | — |
| 2 | DuckTyping | 82:56 | 0 | 1484 | — |
| 3 | danieldingdang | 86:33 | 0 | 1993 | — |
| 4 | TangD0uChaoRen | 88:15 | 3 | 1821 | 好玩俱乐部 |
| 5 | t1e1 | 94:56 | 1 | 2245 | — |
| 6 | kotatsugame | 102:39 | 2 | 2887 | Tohoku University |
| 7 | Myfriendisbest | 104:15 | 1 | 1407 | — |
| 8 | IamNoobCoder | 105:10 | 2 | 1578 | — |
| 9 | SakurabaEma_ | 106:22 | 3 | 1753 | — |
| 10 | JustRun | 107:27 | 2 | 2338 | — |
1 位 U_no_who さん 75:42(rating 2027)で全完。Top 10 の rating レンジは 1407〜2887(kotatsugame さん)と広く、レート以上に「7 問構成での時間配分」と「F・G への手の伸ばし方」で勝負が決まった印象です。
全体感
「A〜D で詰まらず、E と F まで丁寧に処理する こと」が今回の勝負どころだった様子。X タイムラインを見ても 4 完〜5 完で止まった人が多く、6 完以上は局所最適化された人だけが届いていました。
5 完帯の典型ツイートから:
#ABC459 A~E5完 79分+3ペナ
— おさ (@ossan_343) May 23, 2026
A: やる
B: やる
C: 積まれているブロックの最小値と分布を管理 fenwick_tree使った
D: 置けていない文字の数が多いものから置いていく
E: 子から順に取れるアメの数を管理して計算
for文のiをlonglongにしないといけないのに40分かかった...
A〜E 5 完 79 分 + 3 ペナ A: やる B: やる C: 積まれているブロックの最小値と分布を管理 fenwick_tree 使った D: 置けていない文字の数が多いものから置いていく E: 子から順に取れるアメの数を管理して計算 for 文の i を long long にしないといけないのに 40 分かかった…
長期戦のオーバーフローバグで時間を溶かす光景はおなじみです。
各問題のハイライト
A — Hell, World!(X 文字目以外を出力)
AC 率 86%。タイトルにある通り「Hello, World!」のもじりで、X 文字目を抜いて出力する タイプ。文字 X+1 〜 末尾の処理だけ気をつければ即実装でした:
#ABC459
— PrimeDofu (@57dofu_kyopro) May 23, 2026
A問題
X文字目のときだけは出力しないように、ループで1文字ずつ出力すればOK
A 問題 X 文字目のときだけは出力しないように、ループで 1 文字ずつ出力すれば OK
B — 459
数字「459」関連の文字列処理。タイトルが番号と直結している遊び心。match 構文で分岐させたという声も:
#ABC459 A-E5完
— lp_ql (@lp_ql_b) May 23, 2026
A やる
B matchで分岐させたけど大変
C セグ木二本で解いた 範囲ミスって1WA
D 個数が多い文字から使っていく 嘘解法で1WA
E 木DP Cが大きいから愚直に二項係数計算したけど通った
F こういう問題は不変量か同値な操作に言い換えるのが大事ってARCで見たけど何も思いつかなかった…
B match で分岐させたけど大変
「w の存在を忘れて 1 ペナ」というエピソードまで:
#ABC459
— redallen@競プロ (@redallen_kyopro) May 23, 2026
AB2完
Cが解けなくて、、解説読んだ感じ近いところまではいってそうだが
なによりBで"w"の存在を忘れて1ペナくらったのがwwwww痛すぎるwwwwwwwwwwwこんなにwを使っているのにwwwwwwwwwwwww
辛い。
B で “w” の存在を忘れて 1 ペナくらったのが wwww 痛すぎる こんなに w を使っているのに wwwwwwwwww 辛い。
C — Drop Blocks(最小値の分布管理 + Fenwick Tree)
AC 率 44%。「ブロックの最小値と個数分布を Fenwick Tree(or セグ木)で管理」 が主流。multiset でゴリ押した派も:
#ABC459
— nauclhlt2なうちる (@hourai_night) May 23, 2026
A~Eクソゲー
A Remove(X, 1)
B 区間で持つ
C キモいけどmultisetでゴリ押し
D aを並べる→間にbを入れる→...みたいなのをがんばってやりました。
E キモい。C_i<=10^9が無ければ3分で解けたのに二項係数愚直計算ってなんだよ
F 解説みたら階差じゃない(ごみ)
C キモいけど multiset でゴリ押し
セグ木 2 本で範囲管理した派:
#ABC459 A-E5完
— lp_ql (@lp_ql_b) May 23, 2026
A やる
B matchで分岐させたけど大変
C セグ木二本で解いた 範囲ミスって1WA
D 個数が多い文字から使っていく 嘘解法で1WA
E 木DP Cが大きいから愚直に二項係数計算したけど通った
F こういう問題は不変量か同値な操作に言い換えるのが大事ってARCで見たけど何も思いつかなかった…
C セグ木二本で解いた 範囲ミスって 1WA
D — Adjacent Distinct String(文字配置貪欲)
AC 率 42%。多い文字から間引いて並べる 貪欲。priority queue + 「2 回連続だったら次まで見る」の小細工が要る人もいた様子:
#ABC459
— あおでそうめん (@aodesoumen) May 23, 2026
ABD 91分+2WA
A: やる
B: タイピングゲームかな、ごりおし
C: セグ木っぽい?わかんねなんだよこれ
D: アルファベットと出現回数持って、出現回数でpriority_queue、2回連続だったら次まで見る、考察ミスで2WA
たまにあるくそ回だったD解けて良かったまだ耐えた
D アルファベットと出現回数持って、出現回数で priority_queue、2 回連続だったら次まで見る、考察ミスで 2WA
簡潔ルートは「1 種類の文字が過半数以上ならダメ、それ以外は 1 文字開きで置けば OK」:
#ABC459
— はやぶさ286 (@hayabusa286) May 23, 2026
ABD 3完 4553位
A やる
B やる
C なにこれ? 最小値持てばよさそうだけど...
D 1種類の文字が約半分以上なければおk 1文字開きで置いていけばおk
E 葉からやるんだろうなで実装失敗
D 1 種類の文字が約半分以上なければおk 1 文字開きで置いていけばおk
E — Select from Subtrees(木 DP × 二項係数愚直)
AC 率 17%。根から DFS、葉から処理して C(c[i], d[i]) を掛けながら余った個数を親へ繰り上げる タイプの木 DP。「C が大きいから愚直に二項係数計算」 が許容される、というのが今回のミソだったようです:
#ABC459 水パフォ
— sumochi (@sumochiP) May 23, 2026
C: 個数ごとにセグ木で管理し、底上げ allを持ち、y+all 個以上
D: 文字ごとの出現回数を数えて多いものを貪欲
E: 葉から処理、 C(c[i], d[i]) を掛けながら余った個数を親へ繰り上げる
E 葉から処理、C(c[i], d[i]) を掛けながら余った個数を親へ繰り上げる
#ABC459 A-E5完
— lp_ql (@lp_ql_b) May 23, 2026
A やる
B matchで分岐させたけど大変
C セグ木二本で解いた 範囲ミスって1WA
D 個数が多い文字から使っていく 嘘解法で1WA
E 木DP Cが大きいから愚直に二項係数計算したけど通った
F こういう問題は不変量か同値な操作に言い換えるのが大事ってARCで見たけど何も思いつかなかった…
E 木 DP C が大きいから愚直に二項係数計算したけど通った
C_i ≤ 10^9 の制約が地味に重要で、これがなければ 3 分問題、という声も:
#ABC459
— nauclhlt2なうちる (@hourai_night) May 23, 2026
A~Eクソゲー
A Remove(X, 1)
B 区間で持つ
C キモいけどmultisetでゴリ押し
D aを並べる→間にbを入れる→...みたいなのをがんばってやりました。
E キモい。C_i<=10^9が無ければ3分で解けたのに二項係数愚直計算ってなんだよ
F 解説みたら階差じゃない(ごみ)
E キモい。C_i <= 10^9 が無ければ 3 分で解けたのに二項係数愚直計算ってなんだよ
「オーバーフロー注意」も今回の鍵:
#ABC459
— Lidelie (@LidelieStar) May 23, 2026
5完 注意力がカス
B 最後以外3文字ごとだと思ってペナ。キレそう
C セグ木 範囲外アクセスしてペナ。キレそう
D 同じ文字が過半数くらいあったらだめ
E DFS 二項係数は愚直でよい。
オーバーフローペナに20分気づけず。キレそう
E DFS 二項係数は愚直でよい。オーバーフローペナに 20 分気づけず。キレそう
F — -1, +1(前処理 + 平均化スタック)
AC 率 2%(299 / 12552)。A[i] -= i で前処理 して、条件を「広義単調増加」に言い換える+スタックに append、末尾が「狭義単調減少」になったら 平均化した値で置き換える タイプのシミュレーション:
#ABC459
— fura (@fura_2) May 23, 2026
ABCEの4完
DなぜかWAが取れず、6分遅れでFが通った...無念
F. シミュレーション。A[i]-=iと前処理しておくと条件が広義単調増加担って考えやすい。S=[]から始めて、SにA[0],A[1],...を順番にappendしていく。Sの末尾が狭義単調減少になったらそれらを平均化した値で置き換えることを繰り返す
F. シミュレーション。A[i] -= i と前処理しておくと条件が広義単調増加担って考えやすい。S=[] から始めて、S に A[0],A[1],… を順番に append していく。S の末尾が狭義単調減少になったらそれらを平均化した値で置き換えることを繰り返す
これは「スラックを平均化で吸収する」典型の操作で、有名な L1 最適化(Isotonic Regression)系の構造です。気持ちよく落ちる人と「不変量に気付けない」で止まる人の差が大きく出ました:
#ABC459 A-E5完
— lp_ql (@lp_ql_b) May 23, 2026
A やる
B matchで分岐させたけど大変
C セグ木二本で解いた 範囲ミスって1WA
D 個数が多い文字から使っていく 嘘解法で1WA
E 木DP Cが大きいから愚直に二項係数計算したけど通った
F こういう問題は不変量か同値な操作に言い換えるのが大事ってARCで見たけど何も思いつかなかった…
F こういう問題は不変量か同値な操作に言い換えるのが大事って ARC で見たけど何も思いつかなかった…
G — Golf 2(全完 13 名)
AC 率 0.1%(13 / 12552)。タイトル「ゴルフ」が示唆するように、おそらく 最短コード or 操作回数最小化 系のチャレンジ問題。今回の真の上位差別化はここで決まりました。
あとこの所感
100 分で 7 問という構成、A〜D の量と E〜G の質 の両面で楽しめる「スポンサー回らしい厚みのあるセット」だったと思います。特に E の「C が大きいから二項係数を愚直計算でいい」という制約の妙、そして F の 前処理で条件を単調化+平均化スタック という、競プロでよく出る構造の組み合わせは、教材的にも記憶に残るタイプです。
全完者 10 名のうち rating 2887 の kotatsugame さんが 6 位 という結果も今回の難しさを表していて、Top 10 全員が 75〜107 分の幅 に収まっているのが、F・G の差別化がしっかり機能した証拠です。
「ABC らしいセットなのに、6・7 問目で世界が広がる」その手触りが好きな方には、ぜひ復習を 🌸 参加された皆さん、おつかれさまでした。
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