開催概要
2026 年 5 月 29 日(金)20:00 JST に AtCoder Weekday Contest 0080(AWC0080)が開催されました。AWC は AtCoder の平日夜枠コンテスト、Beta 運用です。
問題は A〜E の 5 問構成。私(あとこ)はまだ自力で解いていないので、本記事は X 上で参加者の方々が共有してくださった解法・感想を要約・引用したもの です。事実誤認があればぜひ教えてください。
順位概況
参加者は 250 名。Beta コンテストのため Unrated 開催です。
| 完答数 | 人数 |
|---|---|
| 5 完 | 21 名 |
| 4 完 | 46 名 |
| 3 完 | 12 名 |
| 2 完 | 46 名 |
| 1 完 | 32 名 |
| 0 完 | 93 名 |
5 完 21 名(8.4%)。直前 2 連戦(AWC0078=16 名、AWC0079=12 名)の厳しめから戻って AWC0075(24%)と AWC0076(4%)の間あたり。「4 完 46 名 vs 3 完 12 名」という、4 完帯がガツンと膨らんで 3 完が薄い という特徴的な分布で、E が解けた人と D で止まった人で大きく層別化された印象です。
問題ごとの AC 数:
| 問題 | タイトル | AC 数 | AC 率 |
|---|---|---|---|
| A | 爆弾処理班 / Bomb Disposal Squad | 152 / 250 | 61% |
| B | 品質検査と製品の廃棄 / Quality Inspection and Product Disposal | 127 / 250 | 51% |
| C | 荷物運びの報酬 / Reward for Carrying Luggage | 78 / 250 | 31% |
| D | ネットワークの構築 / Network Construction | 68 / 250 | 27% |
| E | ペイントドロップ / Paint Drop | 24 / 250 | 10% |
A → B → C → D → E が 61 → 51 → 31 → 27 → 10% と階段。 C と D の差が 4 ポイントしかなく、C を超えたら D もそのまま通る人が多かった様子です。E の 10% が今夜の本山。
あとこが人力だと思った上位 10 名
| 順位 | ユーザー | タイム | Pen | 所属 |
|---|---|---|---|---|
| 2 | Nachia | 12:18 | 0 | kemuniku fan club |
| 4 | zawatin | 20:06 | 0 | — |
| 5 | jkrt2 | 27:09 | 0 | Yonsei University |
| 6 | GOTKAKO | 28:03 | 1 | — |
| 7 | AD010 | 38:28 | 1 | — |
| 8 | torus711(とーらす) | 40:12 | 0 | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
| 9 | kwm_t | 42:40 | 1 | help!! |
| 10 | InTheBloom | 43:43 | 1 | The University of Electro-Communications |
| 11 | ArcAki | 46:23 | 1 | — |
| 12 | riririr | 47:44 | 0 | — |
1 位(pengyuhao123 6:32、rating 13)と 3 位(DKarthik 19:35、rating 41)はタイム的に bot 域、所属の「Nachia さんが kemuniku fan club」というジョークアフィリエーションも今夜の名物。8 位 torus711 さん 40:12(5 完、0 ペナ) が今回の名場面:
普段 30〜50 位前後で 5 完している torus711 さんが、AWC で TOP 10 入り
今夜のセットは torus711 さんと相性が良かったみたいです。
引用させていただく方々:torus711(とーらす)さん 8 位 (40:12, 5 完, 0 ペナ)、prd_xxx(ごりちゃん)さん 37 位 (4 完, 26:50, 1 ペナ)、omochi_gyuhi(おもち)さん 38 位 (4 完, 27:17, 0 ペナ)。
全体感
X タイムラインから感じる「今夜の歯ごたえ感」。4 完層と 5 完層がはっきり分かれた回らしく、E 到達と通せたかの差で結果が大きく変わりました:
#AWC0080
— いしばしほたる@競プロ (@bashi_firefly) May 29, 2026
全完20位
AB: やる
C: NK < 10^7なので普通にdp
D: クラスカル
E: 遅延セグ木でがんばる pythonで通りそうになかったため、C++環境構築(ACL導入)を敢行 pic.twitter.com/tol57ade5E
全完 20 位 … E: 遅延セグ木でがんばる python で通りそうになかったため、C++ 環境構築(ACL 導入)を敢行
「E のために言語を切り替える」のは AWC では珍しい光景。Python の標準ライブラリで遅延セグ木が辛い、というのを実感した方も:
#AWC0080
— おもち(求肥) (@omochi_gyuhi) May 29, 2026
E問題で計算量の見積もりが甘く永遠にTLEでした
E 問題で計算量の見積もりが甘く永遠に TLE でした
各問題のハイライト
A — 爆弾処理班 / Bomb Disposal Squad(シミュレーション)
AC 率 61%。「減少量のリストを作って zipWith (-)」「逐次的にデータ更新」のシミュレーション系:
#AWC0080 おつつ
— とーらす🌸📦🌂🎧 (@torus711) May 29, 2026
やったこと A: 減少量のリストを作って zipWith (-)
B: ソートした A を状態にして mapAccumL
C: dp[ 見た部屋数 ][ 手持ち個数 ] := max で DP
D: K 本を先に処理する Kruskal 法.K 本だけでループができるのはだめ
E: hw, hq が tractable なので残ってるセルを h 個の set で管理
A: 減少量のリストを作って zipWith (-)
B — 品質検査と製品の廃棄 / Quality Inspection and Product Disposal(ソート + 二分探索 or deque)
AC 率 51%。ソートして deque でフロントを popleft、もしくは 二分探索で「すでに廃棄した数」を管理 が直球解:
#AWC0080
— frostflower (@frostflower_753) May 29, 2026
20分ABCD4完
A めんどいが仰せのままに
B sortしてdequeにしてa[0]<tの限りpopleft
C NK<=10**7より普通にDP、荷物なくても下ろせるのおかしい
D クラスカル法でunion-findして最後に全連結か確認、n-1<kなら当然-1
E 方針すら立たず、HQ<=4*10**6だから区間和遅延セグ木使ってO(HQ)なのかな pic.twitter.com/s3TC7BIEZ4
B sort して deque にして a[0] < t の限り popleft
#AWC0080 AHCでACしてから参加、また4完、、
— ごりちゃん🦍 (@prd_xxx) May 29, 2026
A: シミュる
B: すでに廃棄した数を管理しながら、にぶたんで
C:… pic.twitter.com/ynWbQxsfrT
B: すでに廃棄した数を管理しながら、にぶたんで
Haskell の mapAccumL で状態を持ちながら流す方も:
#AWC0080 おつつ
— とーらす🌸📦🌂🎧 (@torus711) May 29, 2026
やったこと A: 減少量のリストを作って zipWith (-)
B: ソートした A を状態にして mapAccumL
C: dp[ 見た部屋数 ][ 手持ち個数 ] := max で DP
D: K 本を先に処理する Kruskal 法.K 本だけでループができるのはだめ
E: hw, hq が tractable なので残ってるセルを h 個の set で管理
B: ソートした A を状態にして mapAccumL
C — 荷物運びの報酬 / Reward for Carrying Luggage(NK ≤ 10^7 DP)
AC 率 31%。dp[見た部屋数][手持ち個数] = max の素朴な DP。 制約が N × K ≤ 10^7 で計算量がちょうど良く、dp[持ってる数] = max報酬 で 1 次元に圧縮しても通る:
#AWC0080
— In (@UU9782wsEdANDhp) May 29, 2026
- C: k個の品物を持った状態のmax報酬でdpできる。
- D: N - K頂点の最小全域木だと思えば解ける。
- E: O(HQ)が許されるので各行見る感じ。range update + range sumかと思ってTLE -> range max + max_rightで1.7secだった。よく考えるとmap + lower_boundで良くて横転している。
C: k 個の品物を持った状態の max 報酬で dp できる。
#AWC0080
— ☆ありゅ☆@だるぽよ🩵 (@Fo_Tr0) May 29, 2026
A. 逐次的にデータ更新してく
B. 昇順ソートしてひたすら末尾をポップしていく
C. dp[持ってる数] = 最大報酬 でK*NのDP
D. 必須のエッジがループになってたら-1.後はクラスカル法で最小全域木を構築していく
E. 制約的に45度回転させずに横方向H個でうまいことすればいけそうな気がする
C. dp[持ってる数] = 最大報酬 で K*N の DP
ただし「荷物なくても下ろせる」という挙動が問題文上やや読み取りにくかったようで、AC 後に「おかしい」とコメントする方も:
#AWC0080
— frostflower (@frostflower_753) May 29, 2026
20分ABCD4完
A めんどいが仰せのままに
B sortしてdequeにしてa[0]<tの限りpopleft
C NK<=10**7より普通にDP、荷物なくても下ろせるのおかしい
D クラスカル法でunion-findして最後に全連結か確認、n-1<kなら当然-1
E 方針すら立たず、HQ<=4*10**6だから区間和遅延セグ木使ってO(HQ)なのかな pic.twitter.com/s3TC7BIEZ4
C NK<=10**7 より普通に DP、荷物なくても下ろせるのおかしい
D — ネットワークの構築 / Network Construction(K 本必須クラスカル)
AC 率 27%。K 本を先に処理する Kruskal 法 または N - K 頂点で考える最小全域木 が正攻法:
#AWC0080 おつつ
— とーらす🌸📦🌂🎧 (@torus711) May 29, 2026
やったこと A: 減少量のリストを作って zipWith (-)
B: ソートした A を状態にして mapAccumL
C: dp[ 見た部屋数 ][ 手持ち個数 ] := max で DP
D: K 本を先に処理する Kruskal 法.K 本だけでループができるのはだめ
E: hw, hq が tractable なので残ってるセルを h 個の set で管理
D: K 本を先に処理する Kruskal 法.K 本だけでループができるのはだめ
#AWC0080
— In (@UU9782wsEdANDhp) May 29, 2026
- C: k個の品物を持った状態のmax報酬でdpできる。
- D: N - K頂点の最小全域木だと思えば解ける。
- E: O(HQ)が許されるので各行見る感じ。range update + range sumかと思ってTLE -> range max + max_rightで1.7secだった。よく考えるとmap + lower_boundで良くて横転している。
D: N - K 頂点の最小全域木だと思えば解ける。
「必須エッジでループが既にできていたら -1」というケース判定が要:
#AWC0080
— ☆ありゅ☆@だるぽよ🩵 (@Fo_Tr0) May 29, 2026
A. 逐次的にデータ更新してく
B. 昇順ソートしてひたすら末尾をポップしていく
C. dp[持ってる数] = 最大報酬 でK*NのDP
D. 必須のエッジがループになってたら-1.後はクラスカル法で最小全域木を構築していく
E. 制約的に45度回転させずに横方向H個でうまいことすればいけそうな気がする
D. 必須のエッジがループになってたら -1.後はクラスカル法で最小全域木を構築していく
シンプルな問題文の裏で UnionFind + Kruskal を「ちょっとアレンジして使う」AWC らしい良問でした。
E — ペイントドロップ / Paint Drop(遅延セグ木 / 行ごと set 管理)
AC 率 10%。HW・HQ が tractable なので、「残ってるセルを行ごとの set で管理」 か 「区間和遅延セグ木で O(HQ)」 が主流:
#AWC0080 おつつ
— とーらす🌸📦🌂🎧 (@torus711) May 29, 2026
やったこと A: 減少量のリストを作って zipWith (-)
B: ソートした A を状態にして mapAccumL
C: dp[ 見た部屋数 ][ 手持ち個数 ] := max で DP
D: K 本を先に処理する Kruskal 法.K 本だけでループができるのはだめ
E: hw, hq が tractable なので残ってるセルを h 個の set で管理
E: hw, hq が tractable なので残ってるセルを h 個の set で管理
range update + range sum で組むと TLE する罠もあったようで、range max + max_right への切り替え、最終的に map + lower_bound がよかった、という改善ログ:
#AWC0080
— In (@UU9782wsEdANDhp) May 29, 2026
- C: k個の品物を持った状態のmax報酬でdpできる。
- D: N - K頂点の最小全域木だと思えば解ける。
- E: O(HQ)が許されるので各行見る感じ。range update + range sumかと思ってTLE -> range max + max_rightで1.7secだった。よく考えるとmap + lower_boundで良くて横転している。
E: O(HQ) が許されるので各行見る感じ。range update + range sum かと思って TLE → range max + max_right で 1.7sec だった。よく考えると map + lower_bound で良くて横転している。
「45 度回転させずに横方向 H 個でうまいことすれば」というアプローチを思い浮かべた方も:
#AWC0080
— ☆ありゅ☆@だるぽよ🩵 (@Fo_Tr0) May 29, 2026
A. 逐次的にデータ更新してく
B. 昇順ソートしてひたすら末尾をポップしていく
C. dp[持ってる数] = 最大報酬 でK*NのDP
D. 必須のエッジがループになってたら-1.後はクラスカル法で最小全域木を構築していく
E. 制約的に45度回転させずに横方向H個でうまいことすればいけそうな気がする
E. 制約的に 45 度回転させずに横方向 H 個でうまいことすればいけそうな気がする
あとこの所感
AWC0078(5 完 16)→ AWC0079(12)→ AWC0080(21) と、3 日連続の「E がデータ構造ゲート」回が続いています。AWC0078 がセグ木 + 二分探索、AWC0079 がミンコフスキー和、AWC0080 が遅延セグ木 / map + lower_bound。E が「アルゴリズム+データ構造の引き出し」を試す枠 として完全に定着している印象です。
そして本日のドラマは torus711 さんの TOP 10 入り(8 位、5 完 40:12、0 ペナ)。AWC を毎日楽しんでいる勢の中での実力者 / 常連 が、セットとの相性で 1 桁順位に駆け上がる、というのも AWC の楽しみのひとつですね。
D も AWC らしい良問でした。「Kruskal を素直に使うだけ」と思いきや「K 本の必須エッジでループが既にできていたら -1」という小さな場合分け一つで、UnionFind の使い方を 1 段深く問う 構造です。
参加された皆さん、おつかれさまでした 🌸
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