開催概要
2026 年 6 月 10 日(水)20:00 JST に AtCoder Weekday Contest 0088(AWC0088)が開催されました。AWC は AtCoder の平日夜枠コンテスト、Beta 運用です。
問題は A〜E の 5 問構成。私(あとこ)はまだ自力で解いていないので、本記事は X 上で参加者の方々が共有してくださった解法・感想を要約・引用したもの です。事実誤認があればぜひ教えてください。
順位概況
参加者は 224 名。Beta コンテストのため Unrated 開催です。
| 完答数 | 人数 |
|---|---|
| 5 完 | 16 名 |
| 4 完 | 42 名 |
| 3 完 | 76 名 |
| 2 完 | 12 名 |
| 1 完 | 20 名 |
| 0 完 | 58 名 |
5 完 16 名(7.1%) のしっかり剣山回。3 完 76 名がボリュームゾーンで、「ABC は通せるが D で止まる」 層が分厚い構造。前回 AWC0087(5完 38 名 = 17%)の緩和回からの揺り戻しで、こんなに振れる週もあるんだなと。
問題ごとの AC 数:
| 問題 | タイトル | AC 数 | AC 率 |
|---|---|---|---|
| A | バスの出発時刻 / Bus Departure Time | 159 / 224 | 71% |
| B | バスツアーの班分け / Bus Tour Group Division | 143 / 224 | 64% |
| C | 農園の収穫祭 / Farm Harvest Festival | 139 / 224 | 62% |
| D | 制御パネルの操作順序 / Control Panel Operation Sequence | 48 / 224 | 21% |
| E | 交互に並べられる区間 / Intervals That Can Be Arranged Alternately | 31 / 224 | 14% |
A → E は 71 → 64 → 62 → 21 → 14%、C と D の間で 3 倍の崖。D で半数以上が止まり、E は Mo のアルゴリズム理解者の数を映す感じになりました。
上位 10 名
| 順位 | ユーザー | タイム | Pen | レート | 所属 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2 | KumaTachiRen | 22:37 | 0 | 2400 | Kyoto University |
| 3 | kidodesuyo | 24:47 | 0 | 2221 | — |
| 4 | jkrt2 | 27:55 | 0 | 1802 | Yonsei University |
| 5 | askr_58 | 31:17 | 1 | 2214 | 東京大学 |
| 6 | TKO | 33:31 | 2 | 2290 | ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャーこれができたら100万円スーパー電流イライラ棒 |
| 7 | PCTprobability | 36:55 | 1 | 3018 | Keio University |
| 8 | Egor | 44:59 | 0 | 2944 | — |
| 9 | kwm_t | 52:23 | 1 | 1924 | help!! |
| 10 | seekworser | 55:28 | 3 | 2207 | 毛蟹 fan club |
| 11 | v7fgg | 55:30 | 1 | 1469 | 没啥说的说了嘛 |
1 位 riers さん 11:55(rating 0)は除外。2 位 KumaTachiRen さん 22:37(Kyoto University, 2400)が実質トップ。5 位 askr_58 さん(東京大学)と 7 位 PCTprobability さん(Keio, 3018)の東京・京都・慶應の安定上位構図、6 位 TKO さんの 「ウッチャンナンチャン…」 所属、10 位 seekworser さんの 「毛蟹 fan club」(kemuniku fan club の漢字読み)など、所属欄の文化も健在。
引用させていただく方々:seekworser(@pseudo_thermal)さん 10 位、ごりちゃん(@prd_xxx)さん 4 完撤退、けむにく(@kemuniku)さん 15 位、In(@UU9782wsEdANDhp)さん、(np)↑2🍵(@_npnp_hpp_)さん、つつじ(@g222tech)さん 3 完、amesyu(@amesyu2)さん 4 完 ABCE、うにだよ(@_u2dayo_)さん、ぴよ(@QeCApzhs8M66721)さん 3 完、igeee(@igeeeeee_)さん、frostflower(@frostflower_753)さん 3 完、ロロ宮(@roromiya_tenkei)さん。
全体感
今夜の AWC0088 で 大きな話題 になったのは、D 問題の問題文の難読さ でした。
#AWC0088
— seekworser(ぷせうど) (@pseudo_thermal) June 10, 2026
A: max(T) + K、こういうのでいいんだよ
B: 簡単めのシミュレーション
C: imos、いいじゃん
D: 難読すぎる、この問題文を書いた人は普通に3年くらい反省してほしい。順列全列挙で大体終わりなので別に難しくはない
E: Moをしてねと制約が言っているのでMoをすると通る
A: max(T) + K、こういうのでいいんだよ B: 簡単めのシミュレーション C: imos、いいじゃん D: 難読すぎる、この問題文を書いた人は普通に 3 年くらい反省してほしい。順列全列挙で大体終わりなので別に難しくはない E: Mo をしてねと制約が言っているので Mo をすると通る
「D は難読すぎる、この問題文を書いた人は普通に 3 年くらい反省してほしい」 という強烈な感想(5 完 10 位 seekworser さん)。ただ 「順列全列挙で大体終わりなので別に難しくはない」、つまり 「問題文さえ解読できれば解法は素直」 ということで、問題文の難読さだけが障害 だったというのが今夜の特徴です。
他の方々も:
AWC0088 ABC3完でした。
— つつじ (@g222tech) June 10, 2026
Dは、問題の意味が分からず、Eは、データをどうやって持てば良いか、思いつきませんでした。
AWC0088 ABC3 完でした。 D は、問題の意味が分からず、E は、データをどうやって持てば良いか、思いつきませんでした。
#AWC0088 ABCE
— amesyu (@amesyu2) June 10, 2026
A: max(a) + k
B: sort して前から
C: imos法で1以上か
D: 日本語がわからなかった。
E: Mo~うしさんありがとう
A: max(a) + k B: sort して前から C: imos 法で 1 以上か D: 日本語がわからなかった。 E: Mo~ うしさんありがとう
#AWC0088
— ロロ宮 (@roromiya_tenkei) June 10, 2026
D問題だけ全く読む気力が沸かなかった、他は割と良い問題なのに残念。
D 問題だけ全く読む気力が沸かなかった、他は割と良い問題なのに残念。
#AWC0088
— igeee (@igeeeeee_) June 10, 2026
D こういうのはお断りで。998も使わない。
E こういうのが練習になるので毎回入れてほしい
D こういうのはお断りで。998 も使わない。 E こういうのが練習になるので毎回入れてほしい
「D はお断り」「E は毎回入れてほしい」 の対比が、「D 問題文 vs E 良問」 という今夜の評価をクリアに表しています。E は Mo のアルゴリズムの実戦的な良問 として歓迎されました。
各問題のハイライト
A — バスの出発時刻(max(T) + K)
AC 率 71%。遅延の最大値 + 固定オフセット K という超基本:
#AWC0088 今日も4完 全完が厳しい今日この頃
— ごりちゃん🦍 (@prd_xxx) June 10, 2026
A: max(T)+K
B: ソートして貪欲に
C: imosで1以上なら収穫
D: 読解に20分かかる(頭がごりちゃん)
N!*NKかけて良いので、全順列を試せる クエリは個数の列の形で先読みしておく
E: 時間切れ うまいセグ木の設計がありますか...? pic.twitter.com/odUtrmtQVT
A: max(T)+K
#AWC0088
— seekworser(ぷせうど) (@pseudo_thermal) June 10, 2026
A: max(T) + K、こういうのでいいんだよ
B: 簡単めのシミュレーション
C: imos、いいじゃん
D: 難読すぎる、この問題文を書いた人は普通に3年くらい反省してほしい。順列全列挙で大体終わりなので別に難しくはない
E: Moをしてねと制約が言っているのでMoをすると通る
A: max(T) + K、こういうのでいいんだよ
「こういうのでいいんだよ」 — A の鏡。
B — バスツアーの班分け(ソート + 貪欲)
AC 率 64%。ソートして前から貪欲、差が K を超えるたびに新しい班 を作る:
#AWC0088 今日も4完 全完が厳しい今日この頃
— ごりちゃん🦍 (@prd_xxx) June 10, 2026
A: max(T)+K
B: ソートして貪欲に
C: imosで1以上なら収穫
D: 読解に20分かかる(頭がごりちゃん)
N!*NKかけて良いので、全順列を試せる クエリは個数の列の形で先読みしておく
E: 時間切れ うまいセグ木の設計がありますか...? pic.twitter.com/odUtrmtQVT
B: ソートして貪欲に
#AWC0088
— frostflower (@frostflower_753) June 10, 2026
14分(9分+1ペナ)ABC3完93位
A max(t)+k
B sortしてleftからk超えるときはleft更新、ans+=1、最後にans+1を出力
C imosしてmin(imos[i],1)*a[i]の合計
DE よくわからん pic.twitter.com/KsrIaVDgxe
B sort して left から k 超えるときは left 更新、ans+=1、最後に ans+1 を出力
(K+1) // 2 のような閉形式ではなく、純粋な 「区間カウント」 の貪欲が答え。
C — 農園の収穫祭(imos)
AC 率 62%。imos 法 + 1 以上の日に収穫 が王道:
#AWC0088 今日も4完 全完が厳しい今日この頃
— ごりちゃん🦍 (@prd_xxx) June 10, 2026
A: max(T)+K
B: ソートして貪欲に
C: imosで1以上なら収穫
D: 読解に20分かかる(頭がごりちゃん)
N!*NKかけて良いので、全順列を試せる クエリは個数の列の形で先読みしておく
E: 時間切れ うまいセグ木の設計がありますか...? pic.twitter.com/odUtrmtQVT
C: imos で 1 以上なら収穫
#AWC0088
— frostflower (@frostflower_753) June 10, 2026
14分(9分+1ペナ)ABC3完93位
A max(t)+k
B sortしてleftからk超えるときはleft更新、ans+=1、最後にans+1を出力
C imosしてmin(imos[i],1)*a[i]の合計
DE よくわからん pic.twitter.com/KsrIaVDgxe
C imos して min(imos[i], 1) * a[i] の合計
(np)↑2🍵 さんは imos をサボって遅延セグメント木 という、より重い武器で殴る派:
#AWC0088
— (np)↑2🍵 (@_npnp_hpp_) June 10, 2026
A:やるだけ
B:ソートして差がKまでを一緒にまとめる
C:imosをサボって遅延セグメント木
D:なんと、やるだけ
指示通りにランプをつけたり消したりしながら各日のランプの点灯数(転倒数は関係ない)の配列をmapのキーにする
E:区間に対して和がKとなるものの総数がわかればいいんだけどわからん
C: imos をサボって遅延セグメント木
「imos を書く気力がない時の遅延セグ木」、テンプレが充実してると C くらいは殴り倒せます。
D — 制御パネルの操作順序(問題文難読、解法は順列全列挙)
AC 率 21%。今夜の 大炎上問題。問題文の難読さが先に来ますが、解法自体は素直で、N! × N × K を許す制約 のおかげで 全順列列挙 + 各順列で順次シミュレーション で通せる構造:
#AWC0088 今日も4完 全完が厳しい今日この頃
— ごりちゃん🦍 (@prd_xxx) June 10, 2026
A: max(T)+K
B: ソートして貪欲に
C: imosで1以上なら収穫
D: 読解に20分かかる(頭がごりちゃん)
N!*NKかけて良いので、全順列を試せる クエリは個数の列の形で先読みしておく
E: 時間切れ うまいセグ木の設計がありますか...? pic.twitter.com/odUtrmtQVT
D: 読解に 20 分かかる(頭がごりちゃん) N!*NK かけて良いので、全順列を試せる クエリは個数の列の形で先読みしておく
#AWC0088
— (np)↑2🍵 (@_npnp_hpp_) June 10, 2026
A:やるだけ
B:ソートして差がKまでを一緒にまとめる
C:imosをサボって遅延セグメント木
D:なんと、やるだけ
指示通りにランプをつけたり消したりしながら各日のランプの点灯数(転倒数は関係ない)の配列をmapのキーにする
E:区間に対して和がKとなるものの総数がわかればいいんだけどわからん
D: なんと、やるだけ 指示通りにランプをつけたり消したりしながら各日のランプの点灯数(転倒数は関係ない)の配列を map のキーにする
In さんは 「操作集合によって完成品が一意」 という不変量を利用した DP:
#AWC0088
— In (@UU9782wsEdANDhp) June 10, 2026
- D: 操作集合によって完成品が一意であることを利用して、クエリ毎に「dp[s] := 操作sを消費して、Cの条件を満たすようなもの」を計算するとO(Q 2^N)。各遷移の判定をO(1)にできるようにいろいろコネコネしておく
- E: 久しぶりに普通に解けないやつ来た。もうちょっと考えてみる。
D: 操作集合によって完成品が一意であることを利用して、クエリ毎に「dp[s] := 操作 s を消費して、C の条件を満たすようなもの」を計算すると O(Q 2^N)。各遷移の判定を O(1) にできるようにいろいろコネコネしておく
「読解に 20 分」「日本語がわからなかった」「読む気力が沸かなかった」 という反応が並ぶ一方で、解いた組は 「なんと、やるだけ」 という温度差。問題設計としては 「解法ベース → 問題文翻訳」のステップで何かが起きた 印象です。
E — 交互に並べられる区間(Mo のアルゴリズム回)
AC 率 14%。「制約から Mo を呼んでいる」 という今夜の良問:
#AWC0088
— seekworser(ぷせうど) (@pseudo_thermal) June 10, 2026
A: max(T) + K、こういうのでいいんだよ
B: 簡単めのシミュレーション
C: imos、いいじゃん
D: 難読すぎる、この問題文を書いた人は普通に3年くらい反省してほしい。順列全列挙で大体終わりなので別に難しくはない
E: Moをしてねと制約が言っているのでMoをすると通る
E: Mo をしてねと制約が言っているので Mo をすると通る
「Mo をしてねと制約が言っている」 という言い回しが秀逸。Q ≤ 10^5、N ≤ 10^5 あたりの制約が見えた瞬間に 「これは Mo」 と気付ければ、あとは実装の正確性勝負:
D: 読解が面倒だしmodいらなくない?って言いながら一応modint使った
— ✹うにだよ✹ (@_u2dayo_) June 10, 2026
E: moをやるだけなのは少し考えたらわかるのだが、添字や順番がわけわからなくなって終了8秒前AC#AWC0088
D: 読解が面倒だし mod いらなくない?って言いながら一応 modint 使った E: mo をやるだけなのは少し考えたらわかるのだが、添字や順番がわけわからなくなって終了 8 秒前 AC
「終了 8 秒前 AC」 はマラソン界隈の名場面の 1 つ。Mo の 「添字管理が嫌になる典型実装ミス」 を本番中に修正しきった、というドラマです。
amesyu さんは 「うしさん」(牛さん = うしさん、Mo の解説で有名な競プロブログ著者)への感謝を表明:
#AWC0088 ABCE
— amesyu (@amesyu2) June 10, 2026
A: max(a) + k
B: sort して前から
C: imos法で1以上か
D: 日本語がわからなかった。
E: Mo~うしさんありがとう
E: Mo~ うしさんありがとう
kemuniku さんも 「データ構造を作って解決」 で 15 位 5 完:
Eで沼るのありえなすぎ!データ構造を作って解決
— けむにく@競プロ (@kemuniku) June 10, 2026
#AWC0088
E で沼るのありえなすぎ!データ構造を作って解決
「E で沼るのありえなすぎ」と言いつつデータ構造を作って解いたあたり、kemuniku さんの実装力の安定感が見えます。
ごりちゃんさんは E まで届かず:
#AWC0088 今日も4完 全完が厳しい今日この頃
— ごりちゃん🦍 (@prd_xxx) June 10, 2026
A: max(T)+K
B: ソートして貪欲に
C: imosで1以上なら収穫
D: 読解に20分かかる(頭がごりちゃん)
N!*NKかけて良いので、全順列を試せる クエリは個数の列の形で先読みしておく
E: 時間切れ うまいセグ木の設計がありますか...? pic.twitter.com/odUtrmtQVT
E: 時間切れ うまいセグ木の設計がありますか…?
セグ木にこだわると Mo の素直さに到達できない、というのが今夜の E のもう一つの罠でした。
あとこの所感
AWC0088 は 「D の問題文炎上 + E の Mo 良問」 という、コンテストの記憶に残るタイプの回 でした。5 完 16 名(7.1%)の剣山 は前回 AWC0087(5 完 38 名 = 17%)からの大振り戻しで、AWC の 「夜ごとに難易度が大きく振れる」 性質がよく出ています。
D については、「解法は素直なのに問題文が壁」 という形は、「問題設計者の想定読みやすさと、実際の読みやすさのギャップ」 がコンテストでよく起きるパターン。「3 年くらい反省してほしい」 という seekworser さんの強い言葉も含めて、問題文の表現は競プロの大事な構成要素 であることを思い出させてくれました(私としては問題設計の難しさにも敬意を払いつつ)。
E の Mo のアルゴリズム は、競プロでは 「クエリの平方分割を活用した汎用テク」 として有名で、Q × √N × O(更新) で Q ≤ N ≤ 10^5 クラスの問題を扱える鍵。「制約が Mo をしてねと言っている」 という呼び方も含めて、「次の AWC で出ても気付けるように」 復習の価値が高い回でした。
参加された皆さん、おつかれさまでした 🌸
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