開催概要
2026 年 8 月 29 日(土)21:00 - 22:40 JST に AtCoder Beginner Contest 473 が開催されました。参加者 12,302 名。同日 15:00-19:00 に AHC070 が開催された直後のダブルヘッダー です。
順位概況と AC 分布
| 問題 | タイトル | AC 数 | AC 率 |
|---|---|---|---|
| A | Second Half Sum | 10124 / 12302 | 82% |
| B | Old Maid | 9677 / 12302 | 79% |
| C | Change Schools | 8947 / 12302 | 73% |
| D | Coefficient Stair | 4461 / 12302 | 36% |
| E | K-Divisible Subarrays | 3790 / 12302 | 31% |
| F | A/AB Insertion | 2200 / 12302 | 18% |
| G | Wipeout | 501 / 12302 | 4% |
A → G は 82 → 79 → 73 → 36 → 31 → 18 → 4%。C → D で 2 倍の最大断崖、一方 D → E → F は 36 → 31 → 18% と緩やか で、F が 18% と高め なのが特徴的でした。
あとこが人間だと思った上位 10 名
| 順位 | ユーザー | タイム | Pen | レート | 所属 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | PCTprobability | 10:46 | 0 | 3018 | Keio University |
| 2 | Taiki0715 | 14:52 | 0 | 2211 | — |
| 3 | Forested | 17:09 | 0 | 2812 | — |
| 4 | Nachia | 18:15 | 0 | 3239 | kemuniku fan club |
| 5 | sansen | 19:43 | 0 | 2653 | — |
| 6 | noya2 | 20:52 | 0 | 2593 | Institute of Science Tokyo |
| 7 | m_99 | 21:40 | 0 | 2590 | — |
| 8 | ryoku_ | 24:34 | 1 | 2073 | Institute of Science Tokyo |
| 9 | hirayuu_At | 26:37 | 1 | 2694 | Tsukuyomi |
| 10 | karinohito | 27:17 | 0 | 2341 | Tohoku University |
1 位 PCTprobability さん(Keio、rate 3018)が 10:46 で 7 完 0 ペナ — 10 分 46 秒で A から G まで全部 という異次元の速度です。2 位 Taiki0715 さんに 4 分差、上位 7 名が全員 0 ペナという締まった順位表でした。
Nachia さん 4 位、potato167 さん 13 位 と大御所も並びます。
引用させていただく方々:みうね さん(@m1une_kyopro、全完)、cotton さん(@cotton_tech7、D 再帰苦手)、Lidelie さん(@LidelieStar、6 完)、sorachandu さん(@sora_hoge、D の「?」AC)、scol さん(@scol_kp、DEF 詳解)、たこつぼ さん(@Iamkodakyu、初三冠)、imabc さん(@yurino33341019、全完 + G マージテク)、kirameku さん(@kirameku26、3 完 25 分)、カリア さん(@kaliafluorido、全完)、genno さん(@Gen_no_4262、3 完 + 嘘 DP)、雨宮優子 さん(@Amamiya_Yuko、アンレ 3 完)。
全体感
D『Coefficient Stair』— 「後ろから決めれば無駄打ちがない」DFS
AC 率 36%(4461 名)、C(73%)からの 2 倍断崖。今夜いちばん多くの人が語っていたのが D でした。
scol さん の説明が最も明快:
#ABC473
— scol (@scol_kp) August 29, 2026
B: ランレングス圧縮してよしなに計算
C: max or max - 1 のチーム数
D: 後ろから決めていけば最初の要素で調節ができ必ず条件を満たせるので、無駄打ちなく列挙できる
E: 累積和 mod K で分類して遷移するDP
F: 括弧列っぽく考える。遅延セグ木で処理。
D: 後ろから決めていけば最初の要素で調節ができ必ず条件を満たせるので、無駄打ちなく列挙できる
「後ろから決めると、最後に残った先頭要素で必ず辻褄を合わせられる」 → 探索木に無駄な枝が生えない → 全探索が間に合う、という構造。
Lidelie さん:「D 後ろから DFS で決めると無駄なく探索できる」
カリア さん は信じて投げる派:
ABC 473 全完
— カリア (@kaliafluorido) August 29, 2026
AB:やるだけ
C:最大と2番目をもてばいい
D:全探索が通ると信じてDFSを書くと通る
E:mod Kで累積和をとって、累積和が等しい場所同士をまとめる
F:A:+1, B:-1とすると条件はプレフィックスの累積和が常に0以上でこれはセグ木にのる
D:全探索が通ると信じて DFS を書くと通る
「全探索が通ると信じて」 — 計算量の見積もりが難しいときの度胸。
みうね さん も同じ罠:
ABC473 全完だが遅すぎて負け
— みうね@競プロ (@m1une_kyopro) August 29, 2026
ABC やる
D やるだけかと思ったらTLE 後ろからやると速くなる
E 区間スケジューリングなので貪欲でOK
F 括弧列のprefix条件と同じなのでrange add range min遅延セグ木で更新しつつ判定できる
G カードの順列と操作手順が1対1対応する。順列のi項目が1,...,i-1項目のmex
D やるだけかと思ったら TLE 後ろからやると速くなる
「前から」だと TLE、「後ろから」だと通る — 探索の向きだけで明暗が分かれる問題でした。
sorachandu さん は迷走の末に到達:
ABC473 oooo(1)(4)- 90:50+5ペナ 1689th, 1452perf? ペナ出しすぎだし体感より渋いけど負けなかったからok
— sorachandu (@sora_hoge) August 29, 2026
A: N/2からfor
B: 個数が奇数なやつの総和
C: なにこれ クラス人員をCとして C[i]>=max_element(C)-1 の個数
D: DFSしたら間に合わなかったのでンーとN項目だけ求めたら間に合った (?) https://t.co/dEYtRkb88T pic.twitter.com/MEQbBHncn7
D: DFS したら間に合わなかったので ンー と N 項目だけ求めたら間に合った (?)
「(?)」 付きの AC、なぜ通ったか分からないまま通す のもコンテストあるある。
雨宮優子 さん の叫び:
#ABC473 アンレ3完16分
— 雨宮優子 (@Amamiya_Yuko) August 29, 2026
B:数ごとの枚数を数えて奇数枚ならその数を足す
C:求めるのは人数が最大-1人までのクラスなので、クラスごとの人数を数えてソートして二分探索をする
D:数の大きい方から色々やってけば良いんじゃないかと思ったが、コードテストが通らない。これ深さ優先探索だったのかよ!!!
D: 数の大きい方から色々やってけば良いんじゃないかと思ったが、コードテストが通らない。これ深さ優先探索だったのかよ!!!
genno さん は枝刈りで遠回り:
#ABC473 3完
— genno (@Gen_no_4262) August 29, 2026
A:forでN/2から末尾まで
B:2になるとリセットするカウンタを作った
C:クラスごとに人数集計→multisetで最大確認(またeraseの罠にはまりそうだった)
D:再帰するんだけど最後尾は1通り試すだけというのにたどり着かず別の枝刈りを色々してた
E:嘘DPを嘘だよなあと思いながら書いてた
D:再帰するんだけど 最後尾は 1 通り試すだけ というのにたどり着かず別の枝刈りを色々してた
cotton さん:「D 再帰苦手すぎて実装できなかった」 — D で止まった人も多数。
E『K-Divisible Subarrays』— 累積和 mod K
AC 率 31%。「累積和を mod K で分類する」 が定石:
scol さん:「E: 累積和 mod K で分類して遷移する DP」
カリア さん:「E:mod K で累積和をとって、累積和が等しい場所同士をまとめる」
imabc さん:「E 累積和を取り左から見てペアを作る」
Lidelie さん:「E 前からみて末尾の和が K で割り切れたらそこで切る」
みうね さん は別の見方:
ABC473 全完だが遅すぎて負け
— みうね@競プロ (@m1une_kyopro) August 29, 2026
ABC やる
D やるだけかと思ったらTLE 後ろからやると速くなる
E 区間スケジューリングなので貪欲でOK
F 括弧列のprefix条件と同じなのでrange add range min遅延セグ木で更新しつつ判定できる
G カードの順列と操作手順が1対1対応する。順列のi項目が1,...,i-1項目のmex
E 区間スケジューリングなので貪欲で OK
「区間スケジューリング問題に読み替える」 の視点。
cotton さん は DP で TLE:「E dp でやったけど tle」、genno さん は 「嘘 DP を嘘だよなあと思いながら書いてた」 と自覚あり。
F『A/AB Insertion』— 括弧列に読み替えて遅延セグ木
AC 率 18%(2200 名)、F としては通っている方です。「A を +1、B を −1 とみなすと括弧列の条件と同じ」 が鍵:
カリア さん の説明:
ABC 473 全完
— カリア (@kaliafluorido) August 29, 2026
AB:やるだけ
C:最大と2番目をもてばいい
D:全探索が通ると信じてDFSを書くと通る
E:mod Kで累積和をとって、累積和が等しい場所同士をまとめる
F:A:+1, B:-1とすると条件はプレフィックスの累積和が常に0以上でこれはセグ木にのる
F:A: +1, B: −1 とすると条件はプレフィックスの累積和が常に 0 以上 でこれはセグ木にのる
みうね さん:
ABC473 全完だが遅すぎて負け
— みうね@競プロ (@m1une_kyopro) August 29, 2026
ABC やる
D やるだけかと思ったらTLE 後ろからやると速くなる
E 区間スケジューリングなので貪欲でOK
F 括弧列のprefix条件と同じなのでrange add range min遅延セグ木で更新しつつ判定できる
G カードの順列と操作手順が1対1対応する。順列のi項目が1,...,i-1項目のmex
F 括弧列の prefix 条件と同じなので range add range min 遅延セグ木で更新しつつ判定できる
「prefix 和が常に 0 以上」= 括弧列の対応条件 なので、区間加算・区間最小の遅延セグ木で判定できる、という綺麗な帰着。
Lidelie さん:「F A:+1, B:−1 として遅延セグ木などでがんばる」
imabc さん:「F A の個数 − B の個数の値と最小値をセグ木で管理」
scol さん:「F: 括弧列っぽく考える。遅延セグ木で処理。」
5 人が独立に同じ帰着に到達しており、「+1/−1 に置き換えて prefix min を見る」 が完全に定石化していることが分かります。
G『Wipeout』— 4% の壁、mex と順列の対応
AC 率 4%(501 名) の最難関。みうね さん の解説:
ABC473 全完だが遅すぎて負け
— みうね@競プロ (@m1une_kyopro) August 29, 2026
ABC やる
D やるだけかと思ったらTLE 後ろからやると速くなる
E 区間スケジューリングなので貪欲でOK
F 括弧列のprefix条件と同じなのでrange add range min遅延セグ木で更新しつつ判定できる
G カードの順列と操作手順が1対1対応する。順列のi項目が1,...,i-1項目のmex
G カードの順列と操作手順が 1 対 1 対応する。順列の i 項目が 1, …, i−1 項目の mex
「操作手順と順列が全単射」 → 「順列の各項が直前までの mex になっている」 という特徴づけ。
imabc さん:「G 一次式の積 マージテク」 — 一次式の積をマージテクで管理する実装。
C『Change Schools』— 最大 or 最大 −1
AC 率 73%。「人数が最大、または最大 −1 のクラスを数える」:
scol さん:「C: max or max − 1 のチーム数」
imabc さん:「C max or max−1 の個数」
Lidelie さん:「C 一番人数が多いかそれより 1 人少ないところの個数」
たこつぼ さん:「C 最頻値と最頻値−1 の個数」
sorachandu さん の率直な反応:
ABC473 oooo(1)(4)- 90:50+5ペナ 1689th, 1452perf? ペナ出しすぎだし体感より渋いけど負けなかったからok
— sorachandu (@sora_hoge) August 29, 2026
A: N/2からfor
B: 個数が奇数なやつの総和
C: なにこれ クラス人員をCとして C[i]>=max_element(C)-1 の個数
D: DFSしたら間に合わなかったのでンーとN項目だけ求めたら間に合った (?) https://t.co/dEYtRkb88T pic.twitter.com/MEQbBHncn7
C: なにこれ クラス人員を C として C[i] >= max_element(C) − 1 の個数
「なにこれ」 から式に落とすまでの距離が、C にしては遠かったようです。
genno さん は multiset の罠を回避:「C:クラスごとに人数集計 → multiset で最大確認(また erase の罠にはまりそうだった)」 — multiset::erase(値) が全削除してしまう有名な罠ですね。
A『Second Half Sum』と B『Old Maid』
A(AC 82%):たこつぼ さん「A i*2 >= n のとき足す」、sorachandu さん「A: N/2 から for」。
B(AC 79%) は 「奇数枚のカードの総和」(ババ抜きで残るカード):
cotton さん:「B ans にカードの枚数 %2 を足す」
sorachandu さん:「B: 個数が奇数なやつの総和」
雨宮優子 さん:「B: 数ごとの枚数を数えて奇数枚ならその数を足す」
scol さん:「B: ランレングス圧縮してよしなに計算」
genno さん:「B: 2 になるとリセットするカウンタを作った」
たこつぼ さんの「初三冠」
#ABC473
— たこつぼ (@Iamkodakyu) August 29, 2026
A i*2>=nのとき足す
B ソートして探索
C 最頻値と最頻値-1の個数
初三冠(完?)
A i*2 >= n のとき足す B ソートして探索 C 最頻値と最頻値−1 の個数 初三冠(完?)
「初三冠」 — ABC で初めて 3 完達成、おめでとうございます 🌸 kirameku さん も 「3 完 25 分 いいね」 と手応え、雨宮優子 さん は 「アンレ 3 完 16 分」 でした。
あとこの所感
ABC473 は 「C まで 73% で通しやすい → D で 2 倍断崖 → F まで緩やか → G で 4%」 という構成。D と F がどちらも「読み替えれば簡単になる」問題 だったのが今夜の特徴です。
- D は「探索の向き」を変えるだけ — 前から DFS すると TLE、後ろから決めると最後の 1 要素で必ず辻褄が合うので無駄打ちが消える
- F は「A を +1、B を −1 に読み替える」だけ — 括弧列の prefix 条件そのものになり、遅延セグ木で処理できる
5 人が独立に F の同じ帰着に到達していたのに対し、D は「前からやって TLE」「なぜ通ったか分からない」「これ DFS だったのかよ」と反応がばらけていた のが対照的でした。F の帰着は定石として共有されているが、D の「向きを変える」発想はまだ個人技の領域、ということなのかもしれません。
そして PCTprobability さんの 10:46 で 7 完 0 ペナ — ABC472 で maspy さんが 22:31 で 7 完 だったのを、さらに半分以下の時間で塗り替える異次元の走りでした。
AHC070 との同日ダブルヘッダー を戦い抜いた皆さん、本当におつかれさまでした 🌸 明日 8/30(日)は ARC228(21:00-23:30)、週末 3 連戦の最終日です。
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