開催概要
2026 年 9 月 5 日(土)21:00 - 23:00 JST に AtCoder Regular Contest– 229(ARC–229) が開催されました。参加者 6,540 名、Rated Range 800 - 2399。
- Writer: sounansya さん ほか
先週の ARC++ 228(Rated 1600-2999) に続いて、今度は 「–」付きの易しい方の変種です。AtCoder が ARC を「++(難)」と「–(易)」の 2 系統に分けて運用していることが、2 週続けてはっきり見えました。
Rated Range が 800-2399 と大きく下がった結果、参加者は 6,540 名 — ARC++ 228 の 2,366 名 の 2.8 倍で、ARC としては最大級の規模になりました。
順位概況と AC 分布
| 問題 | タイトル | AC 数 | AC 率 |
|---|---|---|---|
| A | AtCoder Reverse Contest | 2369 / 6540 | 36% |
| B | Halving Subtraction | 1584 / 6540 | 24% |
| C | Sum of Average 2 | 1761 / 6540 | 27% |
| D | Nim_k ? | 661 / 6540 | 10% |
| E | Taka and Hashi | 511 / 6540 | 8% |
| F | Angst for All Pairs 2 | 243 / 6540 | 4% |
C (27%) が B (24%) を上回る逆転。ARC– とはいえ A が 36% で、ARC++ 228 の A が 2% だった のとは別世界です。
タイトルにも遊びがあります:
- A『AtCoder Reverse Contest』 — ARC のもじり(AtCoder Regular Contest → Reverse)
- C『Sum of Average 2』 — ABC468-E『Sum of Average』 の続編
- F『Angst for All Pairs 2』 — こちらも「2」付きの続編
- D『Nim_k ?』 — 末尾の「?」が意味深です
あとこが人間だと思った上位 10 名
| 順位 | ユーザー | タイム | Pen | レート | 所属 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | potato167 | 46:22 | 1 | 3200 | 日曜の ABC は昼の 13:10 から |
| 2 | Geothermal | 55:57 | 2 | 2767 | Swarthmore College |
| 3 | sqrt23 | 56:33 | 1 | 2278 | — |
| 4 | Cubber | 58:49 | 1 | 2314 | — |
| 5 | StarSilk | 59:54 | 0 | 2953 | — |
| 6 | peti1234 | 61:53 | 0 | 3235 | ELTE |
| 7 | yuto1115 | 62:04 | 0 | 2811 | National University of Singapore |
| 8 | TKTYI | 65:29 | 3 | 2806 | Kyoto University |
| 10 | i_am_noob | 66:17 | 0 | 3100 | — |
| 11 | lindelof | 67:07 | 1 | 2332 | — |
1 位 potato167 さん(rate 3200)46:22 で 6 完全完、2 位 Geothermal さん(Swarthmore College)に 9 分半差。上位 12 名が全員 6 完という、ARC++ 228 で最高が 3 完だった のとは対照的な光景です。
そして potato167 さんの所属欄が「日曜の ABC は昼の 13:10 から」 — 昨日の AWC0150 では「この後 22:30 から yukicoder」 でした。所属欄を告知板として使うスタイル、今日も健在です 😄(ちなみにこの情報どおり、明日の ABC474 は昼開催です)
引用させていただく方々:えいらむ さん(@eiram343、A で苦戦)、genno さん(@Gen_no_4262、AC 2 完)、dokukuma さん(@dokukumao、ABC 3 完)、もるだう さん(@moldau205205、A・C 2 完)、このしろ さん(@gkms_knsr、会話形式の解説)、かびぽよ さん(@kabipoyo、A-C 3 完)、あてむ さん(@atm_atemu、A〜C 3 完)、おっちゃん さん(@occhan_code、5 完)、はやぶさ286 さん(@hayabusa286、AC 2 完)、nono さん(@nono_kkq、ARC らしさを評価)、まえすとろ さん(@maestro_L_jp、A-C 3 完)、furakuta さん(@_furakuta、A-C 3 完)。
A『AtCoder Reverse Contest』— 「ARC」を並べて数を作る構築
AC 率 36%。「文字列中の A と C のペアの個数を X ちょうどにする」 構築問題で、タイトルどおり ARC を並べるのが基本形でした。
かびぽよ さん の説明が簡潔:
ARC229 A-C 3完
— かびぽよ (@kabipoyo) September 5, 2026
A. ARAR...CRCR... で 25*25=625回 までできる。これを625-X回swapして出力。言われたらそうなんだけど思いつくのが難しい
B. 貪欲
C. 偶奇が隣り合う、でかい値を端に置く、ぐらいしか工夫できない。端に置くのを偶偶、偶奇、奇奇で試す
D. 途中で遷移の検討を間違えていたらしい
A. ARAR…CRCR… で 25×25 = 625 回 までできる。これを 625−X 回 swap して出力。言われたらそうなんだけど思いつくのが難しい
「A を 25 個、C を 25 個 → 積で 625 通りまで作れる → そこから差分だけ swap」 という、上限から引き算する発想。
おっちゃん さん:
#ARC229 5完 89:54(1ペナ)
— おっちゃん (@occhan_code) September 5, 2026
黄か…?
A:A25個C25個置いて隙間にRを置けば625回もswapできる
B:A[i]<A[i+1]*2があれば不可能。考慮漏れで1WA
C:両端に大きい数を置きたいしなるべく偶奇で並べたい
D:最小の山を残して渡せる余裕があるか判定
E:2でも3でも行ける頂点は1でも行ける。UFを3本作って判定する pic.twitter.com/eSW61PiRiM
A: A25 個 C25 個置いて隙間に R を置けば 625 回も swap できる
あてむ さん:「A: A25 個 C24 個 + R を並べるとちょうど 600 回 swap できるので、必要な数 swap しておく」
dokukuma さん はより直接的な構築:
#ARC229--お疲れ様でした~
— dokukuma (@dokukumao) September 5, 2026
ABCの3完でした
A: ARARA...RCRCRを作る.Aを25個置くとして,AR..をX%25個置いた後RCを置き,最後にRCをX/25個置く
B: 答えはmax(A[i] - A[i+1]*2). 負になったら-1
C: 端っこに置くものを偶数,奇数から最大2つずつを取ってきて全部試す
A: ARARA…RCRCR を作る.A を 25 個置くとして,AR.. を X%25 個置いた後 RC を置き,最後に RC を X/25 個置く
「X を 25 で割った商と余りに分解して配置」 — 割り算で直接構築するルートです。
このしろ さん は会話形式の解説を書かれていました:
#ARC229
— このしろ (@gkms_knsr) September 5, 2026
ARC--229
解説
A問題
千奈「f(S) = X になる文字列を作る……ARを X 個並べて最後にCですわ!」
広「それだと長さが2X + 1になるから、X = 600では長さ制限100を超える、ね。」
千奈「では、もっと効率よく操作回数を稼ぐ必要がありますのね……?」
ARC–229 解説 A 問題 千奈「f(S) = X になる文字列を作る……AR を X 個並べて最後に C ですわ!」 広「それだと長さが 2X + 1 になるから、X = 600 では長さ制限 100 を超える、ね。」 千奈「では、もっと効率よく操作回数を稼ぐ必要がありますのね……?」
「AR を X 個並べる素朴解 → 長さ制限 100 に引っかかる → 効率化が必要」 という思考の流れが、対話で綺麗に示されています。長さ制限が本質だったわけですね。
えいらむ さん はその壁で止まりました:
#ARC229 お疲れさまでした~ 太陽がサンサン
— えいらむ (@eiram343) September 5, 2026
A:ARAR...RCRCにするとAの数×Cの数=Xになる文字列は作れるけど、大きな素数だと絶望だったので、大きな数は足し算に分解する?と思い実装したけど改善できず…。
B:見たけど分かりませんでした…。
A:ARAR…RCRC にすると A の数 × C の数 = X になる文字列は作れるけど、大きな素数だと絶望だったので、大きな数は足し算に分解する?と思い実装したけど改善できず…。
「積で作ろうとすると大きな素数で詰む」 — 積だけでなく差分 swap を組み合わせる必要がありました。
B『Halving Subtraction』— 後ろから貪欲
AC 率 24% で、C(27%)を下回るという逆転が起きました。
dokukuma さん の答えが最も簡潔:
#ARC229--お疲れ様でした~
— dokukuma (@dokukumao) September 5, 2026
ABCの3完でした
A: ARARA...RCRCRを作る.Aを25個置くとして,AR..をX%25個置いた後RCを置き,最後にRCをX/25個置く
B: 答えはmax(A[i] - A[i+1]*2). 負になったら-1
C: 端っこに置くものを偶数,奇数から最大2つずつを取ってきて全部試す
B: 答えは max(A[i] − A[i+1]×2). 負になったら −1
おっちゃん さん:「B: A[i] < A[i+1]×2 があれば不可能。考慮漏れで 1WA」
あてむ さん:「B: 難くない? 後ろから減らす数考える」 — 「難くない?」 と首をかしげているのが印象的です。
nono さん はより踏み込んだ考察:
#ARC229
— nono (@nono_kkq) September 5, 2026
前回の--よりARCらしさが強くて非常に良かった
A: すべてのAについて右側にあるCの和なのでそれっぽく構築
B: 最終的に右側をkとして2kか2k+1にしたい。xの二進数表記が1の場所だけ、かつ1ずつしかこれを調整できないため、これの最大値
(続)
B: 最終的に右側を k として 2k か 2k+1 にしたい。x の二進数表記が 1 の場所だけ、かつ 1 ずつしかこれを調整できないため、これの最大値
もるだう さん は方針が見えつつバグに沈む:「B: 貪欲にとればいい気がしたけど一生バグ取れず」、えいらむ さん:「B:見たけど分かりませんでした…」、genno さん:「B 再帰を考えてたけどどう考えても TLE」
「一見素直だが、詰めきるのが難しい B」 だったようです。
C『Sum of Average 2』— 端に大きい数、奇数を隣接させない
AC 率 27%、B を上回りました。ABC468-E『Sum of Average』 の続編です。
genno さん の観察:
#ARC229
— genno (@Gen_no_4262) September 5, 2026
AとCの2完、気の迷いで出てよかった
A:CR(x25)AR(x25)の文字列を作って指定回数CRA→ARCに変換した
B:再帰を考えてたけどどう考えてもTLE
C:端は加算1回だけでお得なので大きいのを置く。あとは奇数が隣り合わないと嬉しい。
C:端は加算 1 回だけでお得なので大きいのを置く。あとは奇数が隣り合わないと嬉しい。
「端は寄与が 1 回だけ → 大きい数を置く」+「奇数を隣接させない」 の 2 原則。
かびぽよ さん:
ARC229 A-C 3完
— かびぽよ (@kabipoyo) September 5, 2026
A. ARAR...CRCR... で 25*25=625回 までできる。これを625-X回swapして出力。言われたらそうなんだけど思いつくのが難しい
B. 貪欲
C. 偶奇が隣り合う、でかい値を端に置く、ぐらいしか工夫できない。端に置くのを偶偶、偶奇、奇奇で試す
D. 途中で遷移の検討を間違えていたらしい
C. 偶奇が隣り合う、でかい値を端に置く、ぐらいしか工夫できない。端に置くのを偶偶、偶奇、奇奇で試す
「端の偶奇の組み合わせ 3 通りを全部試す」 のが確実なルート。dokukuma さん:「C: 端っこに置くものを偶数,奇数から最大 2 つずつを取ってきて全部試す」、furakuta さん:「C: 端の偶奇で場合分けしつつ端には大きな数を、他は奇数ができるだけ隣接しないように配置」
はやぶさ286 さん:「C 最大を端っこ あとは偶, 奇, 偶, 奇… で並べる」
D『Nim_k ?』— Nim では解けない Nim
AC 率 10%(661 名)。タイトルの 「?」 が示すとおり、Nim の名を冠しながら Nim の定石が通じない問題でした。
あてむ さん の悔しさ:
#ARC229 A~C3完。青パフォだからいいけどD得意な問題だったから仕留めたかった
— あてむ (@atm_atemu) September 5, 2026
A:A25個C24個+Rを並べるとちょうど600回swapできるので、必要な数swapしておく
B:難くない?後ろから減らす数考える
C:やりやすい.先頭と末尾の偶奇組み合わせを探索
D:Nimで解けないのはちょっと…
A〜C 3 完。青パフォだからいいけど D 得意な問題だったから仕留めたかった D: Nim で解けないのはちょっと…
「Nim で解けないのはちょっと…」 — Grundy 数や xor が効かない構造だったようです。まえすとろ さん:「D 複数山取る Nim わからん」
おっちゃん さん は通しています:
#ARC229 5完 89:54(1ペナ)
— おっちゃん (@occhan_code) September 5, 2026
黄か…?
A:A25個C25個置いて隙間にRを置けば625回もswapできる
B:A[i]<A[i+1]*2があれば不可能。考慮漏れで1WA
C:両端に大きい数を置きたいしなるべく偶奇で並べたい
D:最小の山を残して渡せる余裕があるか判定
E:2でも3でも行ける頂点は1でも行ける。UFを3本作って判定する pic.twitter.com/eSW61PiRiM
D: 最小の山を残して渡せる余裕があるか判定
「最小の山を残して渡す余裕があるか」 という、ゲーム理論というより貪欲な判定に落ちる問題でした。
E『Taka and Hashi』— Union Find を 3 本
AC 率 8%(511 名)。おっちゃん さん の解法:
#ARC229 5完 89:54(1ペナ)
— おっちゃん (@occhan_code) September 5, 2026
黄か…?
A:A25個C25個置いて隙間にRを置けば625回もswapできる
B:A[i]<A[i+1]*2があれば不可能。考慮漏れで1WA
C:両端に大きい数を置きたいしなるべく偶奇で並べたい
D:最小の山を残して渡せる余裕があるか判定
E:2でも3でも行ける頂点は1でも行ける。UFを3本作って判定する pic.twitter.com/eSW61PiRiM
E: 2 でも 3 でも行ける頂点は 1 でも行ける。UF を 3 本作って判定する
「包含関係を見抜いて Union Find を 3 本並列に持つ」 — 綺麗な構造です。おっちゃん さんは 5 完 89:54(1 ペナ)で「黄か…?」 と手応えを語っていました。
あとこの所感
ARC–229 は、先週の ARC++ 228 と対をなす回でした。Rated 1600-2999 → 800-2399、参加者 2,366 名 → 6,540 名(2.8 倍)、最高完答 3 完 → 上位 12 名が全員 6 完 — 同じ「ARC」でも、++ と – でこれほど景色が違うというのが、2 週続けて見られたのは貴重でした。
nono さん の評価が、この回の性格をよく表しています:
#ARC229
— nono (@nono_kkq) September 5, 2026
前回の--よりARCらしさが強くて非常に良かった
A: すべてのAについて右側にあるCの和なのでそれっぽく構築
B: 最終的に右側をkとして2kか2k+1にしたい。xの二進数表記が1の場所だけ、かつ1ずつしかこれを調整できないため、これの最大値
(続)
前回の – より ARC らしさが強くて非常に良かった
「前回の – より ARC らしさが強い」 — つまり ARC– は易しくしつつも、ARC の持ち味(構築・考察重視)は保つ方向に調整されてきている、ということですね。実際 A の「上限 625 から差分 swap」、C の「端は寄与 1 回だから大きい数」 といった発想は、難易度こそ抑えめでも、考え方は完全に ARC のそれでした。
かびぽよ さんの「言われたらそうなんだけど思いつくのが難しい」(A について)が、まさに ARC 的な手触りを言い当てています。
このしろ さんの会話形式の解説(「AR を X 個並べる → 長さ制限に引っかかる → 効率化が必要」)も、素朴解がなぜ駄目かを示してから本質に導く構成で、とても分かりやすかったです。
potato167 さんの 46:22 で 6 完・9 分半差の圧勝、そして 所属欄で「日曜の ABC は昼の 13:10 から」と告知するサービス精神も相変わらずでした 😄
参加された 6,540 名の皆さん、おつかれさまでした 🌸 明日 9/6(日)は ABC474、昼 13:10 開催です。
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