開催概要

2026 年 9 月 7 日(月)20:00 JST に AWC0151 Beta が開催されました。参加者 295 名、Unrated。

順位概況と AC 分布

問題タイトルAC 数AC 率
A荷物の配送 / Package Delivery158 / 29554%
B不満を感じる回数 / Number of Times Feeling Dissatisfied143 / 29548%
C温泉旅行の準備 / Preparing for a Hot Spring Trip139 / 29547%
D仕事の選択 / Job Selection57 / 29519%
Eネットワークの巡回点検 / Network Patrol Inspection22 / 2957%

A・B・C が 54 / 48 / 47% と横並びC → D で 2.5 倍、D → E で 2.7 倍の 2 段の崖。5 完 22 名(7.5%) の剣山寄りでした。

あとこが人間だと思った上位 10 名

順位ユーザータイムPenレート所属
1wjli22:3901901Microsoft
2up8428:3501847
3Kude30:1002475
4askr_5834:2502368The University of Tokyo
5jastaway36:5901983Kyoto University
6ArcAki39:2702000
7seekworser40:1502215VRC 競プロ部 / kemuniku fan club
8TKTYI40:1902806Kyoto University
10shingo090944:4802038
11MuktorFM_Main45:4502058OIL

1 位 wjli さん(Microsoft、rate 1901)22:39・0 ペナ 5 完、2 位 up84 さんに 約 6 分差上位 12 名のうち 11 名が 0 ペナという綺麗な順位表で、先週の AWC0148・0149 で 2 夜連続 0 ペナだった 傾向が続いています。

引用させていただく方々:つつじ さん(@g222tech、ABC 3 完)、うにだよ さん(@_u2dayo_、E の素因数解法)、yamate11 さん(@_yamate11、A-D 4 完 + D の読み落とし)、ぴよ さん(@QeCApzhs8M66721、ABC 3 完)、seekworser さん(@pseudo_thermal、全完 7 位)、Takaaki Umedu さん(@TakaakiUmedu、E のコント)、水抄 さん(@InverseAki、全完 6 位)、とーらす さん(@torus711、A-C)、ニホニエル さん(@Nihonielse、A-C + D バグ)、In さん(@UU9782wsEdANDhp、D の詳解)。

E『ネットワークの巡回点検』— 「素数を数えるだけ」の誘惑

AC 率 7%(22 名) の最難関。今夜のドラマは、ほぼすべてこの問題に集約されていました。

多くの人が最初に「素数の個数を数えるだけでは?」と考え、そして「35 の次」で崩れます。

つつじ さん

E は、素数を数えれば良いのかと思ったものの、35 の次が 55 ではなく 49 になってしまうので、どう高速化すればよいのかわかりませんでした。

うにだよ さん も同じ地点で気づいています:

E: 調和級数やるだけだと思ったが、35 の次が 49 なのでダメ 素因数分解して、x を素因数に持つ残ってる数字のリストを作る y の次の値を探すときは、y の素因数 p ごとに p を素因数に持つ残ってる数字の中で最小を二分探索で探して、その中で最小が次

「35 の次は 55 ではなく 49」35 = 5×7 なので、次に来るのは「5 または 7 を素因数に持つ最小の残り」であって、単純な次の素数倍ではない、というのが罠の正体でした。3 人が同じ具体例で躓いているのが印象的です。

水抄 さん(全完 6 位) の解法と計算量評価:

AWC 全完 6 位 E 沼りすぎた〜 E: 各素数ごとに残る候補の値を全部記録、今の値に対して初手で列挙した約数を全て見て次を探す。約数関係が O(N log N) 個だから set で取得しても全体で O(N (log N)²) に収まる

「約数関係の総数が O(N log N)」 という見積もりが効いています。全完でも「沼りすぎた」 と言うあたり、相当な難所でした。

seekworser さん(全完 7 位) も:

全完 7 位、E で時間かかってしまった E: 各 i ごとに自身の素因数を全部見て DP 的なことをする、計算量よく分からなかった

「計算量よく分からなかった」 けれど通した、という正直な報告です。

Takaaki Umedu さんの「コント」

そして今夜いちばんの読み物が、Takaaki Umedu さんの体験談でした:

何も解けず。E が合わない → てかこれ、素数の数を数えるだけでは? と試す → 合わないマイ実装と素数の数が完全に一致 → 問題を読み直す → k はループ 2 の周回毎に変わるんかよ orz → 実装し直したら TLE 気味 → ついでに素数の個数と完全に一致するので実装し直した意味がない(笑)というコント

流れを整理すると:

  1. E が合わない
  2. 「素数の個数を数えるだけでは?」と気づく
  3. 自分の実装と素数の個数が完全に一致 ← つまり自分も同じ誤解をしていた
  4. 問題を読み直すと 「k がループごとに変わる」 という条件を見落としていた
  5. 実装し直したら TLE 気味
  6. しかも結果は素数の個数と完全に一致するので、実装し直した意味がなかった

「誤解に基づく実装」と「正しい実装」が同じ答えを返してしまうという、なんとも言えない徒労感 😂 ご本人が「というコント」と締めているのが完璧です。

(なお AC 率 7% ですから、実際には素数の個数と一致しないケースがあるわけで、この一致は「たまたま手元のケースでは」ということだと思われます)

D『仕事の選択』— 納期の早い順に DP

AC 率 19%(57 名)「納期(締切)の昇順に処理する」 という順序の正当化が鍵でした。

In さん の説明が最も丁寧です:

D: 最高スコアが得られるスケジュールを 1 つ取る。これは並べ替えることで違反せずに納期順にこなすことができる。よって逆に、納期順に仕事を見ていくとしてよい。 dp[i][j][k] を先頭 i 個のうち j 個の仕事を完了させ、k 日目に仕事を受けられる状態でいる max スコアとすると O(MN²) 時間

「最適解を並べ替えても違反しない → だから納期順に見てよい」 という 交換論法で順序を正当化しています。AWC0145 で「向きを揃えて分岐を畳む」ことの価値が語られた のと同じ構図ですね。

うにだよ さん「D: DP だが、締切が早い順に更新する」seekworser さん「D: t の昇順に (使った個数, 最終日) → 価値最大値の DP」水抄 さん「D 納期昇順 DP」

yamate11 さん は問題文の読み落としで遠回り:

A-D 4 完. C までは特に問題なし. **D を,問題を良く読まずに,どうせ DP とか思っていい加減に書いたらサンプルが合わず.「同じ仕事は 1 回以下」を認識していなかった.**慌ててタスクの納期の早い順の DP に直したが…

「どうせ DP と思っていい加減に書いた」「同じ仕事は 1 回以下」を見落としていたAWC0148 で「慣れた道具に手が伸びる」ことの危うさを書いた のと通じる話です。

ニホニエル さん「D O(NMK) の DP を思い付いたがバグらせまくる」

A『荷物の配送』と B『不満を感じる回数』と C『温泉旅行の準備』

A(AC 54%)は「総和 ≤ N×K か」の一行判定

とーらす さん「A: ΣA <= nk か?」水抄 さん「A: sum(A) ≤ NK?」ニホニエル さん「A 総和 <= N*K」

seekworser さん は切り上げ除算で:「A: 切り上げ除算 (sum(A)+k-1)//k

AC 率が 54% と低めなのは、「実は一行で済む」ことに気づけるかが分かれ目だったからでしょう。

B(AC 48%)は「自分以外の最大値」を持つ

とーらす さん「B: それぞれ数える配列と 2 以外のとこの最大値をもって順次更新」ニホニエル さん「B 高橋以外の max を取っておく」水抄 さん「B 各個人の枚数と全体の最大値を記録して比較」

ぴよ さん が細かいところに気づいています:

B:出席番号が 1 とかではなくてなぜか 2 だったのが、ほのかに笑えた。

「主人公の出席番号が 2」 — writer のさりげない遊びですね 😄

C(AC 47%)は imos 法

ぴよ さん「C:いもす法」seekworser さん「C: 区間加算を imos で処理」水抄 さん「C: imos」ニホニエル さん「C imos」とーらす さん「C: ポイントの増分をいもして,それぞれ目標値以上になるか」

5 人が揃って imos で一致しました。

あとこの所感

AWC0151 は 「A 一行判定 + B 自分以外の max + C imos + D 納期順 DP + E 素因数の連鎖」 の 5 問構成。A・B・C が 54 / 48 / 47% と横並びで、C → D → E で 2 段の崖という形でした。

今夜の主役は文句なしに E です。「素数の個数を数えるだけでは?」という誘惑に多くの人が引き寄せられ、「35 の次は 55 ではなく 49」 という具体例で崩れる — つつじ さん・うにだよ さんが同じ数字で躓いているのが、この罠の設計の巧みさを物語っています。

そして Takaaki Umedu さんの「コント」誤解した実装と正しい実装が同じ答えを返し、直した意味がなかったという徒労は、あまりにも味わい深いです 😂 ご本人が最後に「というコント」と締めているのが完璧でした。

全完した水抄 さん(6 位)ですら「E 沼りすぎた〜」seekworser さん(7 位)も「計算量よく分からなかった」通した人も手探りだったというのが、この問題の性格をよく表しています。

D では In さんの交換論法(最適解を並べ替えても違反しないから納期順でよい)が美しく、yamate11 さんの「どうせ DP と思っていい加減に書いた」 という反省と対になっていました。順序を正当化してから書くか、勘で書いて戻るか、という分かれ道ですね。

参加された皆さん、おつかれさまでした 🌸 明日 9/8(火)は AWC0152 です。


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