開催概要
2026 年 9 月 8 日(火)20:00 JST に AWC0152 Beta が開催されました。参加者 190 名、Unrated。最近の AWC としては最少規模です。
順位概況と AC 分布
| 問題 | タイトル | AC 数 | AC 率 |
|---|---|---|---|
| A | 散歩道のコイン集め / Collecting Coins on the Walking Path | 123 / 190 | 65% |
| B | ロボットの宝集め / Robot’s Treasure Collection | 85 / 190 | 45% |
| C | お菓子の詰め合わせ / Assortment of Sweets | 89 / 190 | 47% |
| D | お買い物チャレンジ / Shopping Challenge | 69 / 190 | 36% |
| E | 鬼ごっこ / Tag | 10 / 190 | 5% |
B (45%) が C (47%) を下回る逆転、そして D → E で 7 倍の断崖。5 完はわずか 10 名でした。
あとこが人間だと思った上位 10 名
| 順位 | ユーザー | タイム | Pen | レート | 所属 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3 | TKTYI | 38:53 | 1 | 2806 | Kyoto University |
| 4 | GOTKAKO | 44:39 | 1 | 2324 | — |
| 5 | AT_Lele | 52:18 | 0 | 2004 | — |
| 6 | reinsirk | 52:41 | 2 | 1829 | Waseda University |
| 7 | aPNJ777 | 63:57 | 2 | 1996 | — |
| 8 | Egor | 69:48 | 3 | 2944 | — |
| 10 | sigtuna | 09:33 | 0 | 1877 | 昊陵学園(4 完) |
| 11 | mihhiael | 13:15 | 0 | 1646 | (4 完) |
| 12 | sharking | 13:19 | 0 | 1619 | (4 完) |
1〜2 位(soy_codex、raitikunn、ともに rate 0)は速度と AC 状況の乖離のため除外、実質頂点 3 位 TKTYI さん(京大、rate 2806)38:53・1 ペナ 5 完。
注目したいのが 10 位以下の 4 完勢のタイムです。sigtuna さん 09:33、mihhiael さん 13:15、sharking さん 13:19 — A〜D の 4 問を 10 分前後で駆け抜けているわけで、E さえ通れば上位だったことになります。E の 7 倍の崖が順位表をきれいに二分していました。
引用させていただく方々:Tanaka.A さん(@tanaka_a8、4 完 22 位)、うにだよ さん(@_u2dayo_、D の 128bit 対応)、えいらむ さん(@eiram343、3 完)、遠宮歩 さん(@ayumu_togu、A-D 4 完 + 制約の読み違い)、yamate11 さん(@_yamate11、ACD 3 完)、とーらす さん(@torus711、制約からの見積もり)、ニット さん(@undeadliberty、ACD 3 答)、Takaaki Umedu さん(@TakaakiUmedu、E で混乱の極み)。
B『ロボットの宝集め』— 制約の読み違いが罠
AC 率 45% で、C(47%)を下回る逆転。今夜いちばん多くの人が引っかかったのがここでした。
えいらむ さん の困惑:
#AWC0152 お疲れさまでした! 3完
— えいらむ (@eiram343) September 8, 2026
A:s<tにしておいてif(s<=p&&p<=t) ans+=v;
B:これ本当にBですか?全然分からず、飛ばす
C:dp!久しぶりにdpACできて嬉しかった
D:N<=40は、半分全列挙ですね~をした。久しぶりに半分全列挙書いたな~21個と19個のグループにしててペナ
E:分かりません。 pic.twitter.com/Ww1zY3Yag5
B:これ本当に B ですか? 全然分からず、飛ばす
yamate11 さん:「B: まったくわからず.」
そして 遠宮歩 さん が罠の正体を言い当てています:
#AWC0152 A-D 4完2ペナ
— 遠宮歩 / kmmtkm (@ayumu_togu) September 8, 2026
A: min(s,t)<=p<=max(s,t) ならvを足す
B: 制約違反を疑ってごめんなさい。KQ<=2e7でもKN<=2e7とは限らないですね... 2ペナして順位表1枚目を逃した
C: dp
D: 半分全列挙。TLぴったりだった
--
E: 後退解析なのはそうなんだろうけどむずい
B: 制約違反を疑ってごめんなさい。KQ <= 2e7 でも KN <= 2e7 とは限らないですね… 2 ペナして順位表 1 枚目を逃した
「KQ ≤ 2×10⁷ という制約はあるが、KN ≤ 2×10⁷ とは限らない」 — 似た形の制約を見て、別の積も抑えられていると早合点してしまうという罠でした。「制約違反を疑ってごめんなさい」 という謝罪が、勘違いの気づきの瞬間をよく表しています 😅
とーらす さん は制約を正しく読んで愚直へ:
#AWC0152 おつつ
— とーらす🌸📦🌂🎧 (@torus711) September 8, 2026
やったこと A: inRange で filter
B: kq の制約から S の要素へのアクセス回数は tractable なので,愚直に
C: nk の制約から dp[ 見た個数 ][ mod K ] := # of ways な DP が間に合う
D: 半分全列挙.64 ビットでも地味にオーバーフローするので S を超えたたら無視
B: kq の制約から S の要素へのアクセス回数は tractable なので,愚直に
「KQ の制約からアクセス回数は扱える範囲だと確認 → 愚直で通す」 — 制約から計算量を見積もってから書くという王道です。
Tanaka.A さん:「B 回収済みを HashSet で持ってシミュレーション」、うにだよ さん:「B: KQ が大きくないのでシミュレーションできた」
ニット さん は言語で苦戦:
#AWC0152
— ニット (@undeadliberty) September 8, 2026
ACD3答
B:制約的に2になったときに毎回シミュできそうだがTLE、pythonが遅いせいかな
C: 余りでdp
D: 半列挙。片方をbitDPで直接総和じゃなくてdict増やす形にしたらWA、なぜ?
E:あんまり考えてないけど3以上のループかつ先回りされないことが必要?
B: 制約的に 2 になったときに毎回シミュできそうだが TLE、python が遅いせいかな
C『お菓子の詰め合わせ』— 余りで DP
AC 率 47%、B を上回りました。「mod K を状態に持つ DP」 で全員一致:
Tanaka.A さん:「C 余りで DP」、うにだよ さん:「C: 余りで DP」、ニット さん:「C: 余りで dp」、遠宮歩 さん:「C: dp」
とーらす さん の状態設計:
#AWC0152 おつつ
— とーらす🌸📦🌂🎧 (@torus711) September 8, 2026
やったこと A: inRange で filter
B: kq の制約から S の要素へのアクセス回数は tractable なので,愚直に
C: nk の制約から dp[ 見た個数 ][ mod K ] := # of ways な DP が間に合う
D: 半分全列挙.64 ビットでも地味にオーバーフローするので S を超えたたら無視
C: nk の制約から dp[ 見た個数 ][ mod K ] := # of ways な DP が間に合う
ここでも 「制約から計算量を見積もる」 アプローチです。
えいらむ さん は素直に喜んでいました:
#AWC0152 お疲れさまでした! 3完
— えいらむ (@eiram343) September 8, 2026
A:s<tにしておいてif(s<=p&&p<=t) ans+=v;
B:これ本当にBですか?全然分からず、飛ばす
C:dp!久しぶりにdpACできて嬉しかった
D:N<=40は、半分全列挙ですね~をした。久しぶりに半分全列挙書いたな~21個と19個のグループにしててペナ
E:分かりません。 pic.twitter.com/Ww1zY3Yag5
C:dp!久しぶりに dp AC できて嬉しかった
なお C のタイトル『お菓子の詰め合わせ』は AWC0128 の C と同名 です(あちらは尺取法でした)。AWC のタイトル再利用、今回も健在ですね 🍬
D『お買い物チャレンジ』— 半分全列挙とオーバーフロー
AC 率 36%。N ≤ 40 という制約から半分全列挙、というのは全員一致でしたが、オーバーフロー対策で分かれました。
えいらむ さん の反応が典型的:
#AWC0152 お疲れさまでした! 3完
— えいらむ (@eiram343) September 8, 2026
A:s<tにしておいてif(s<=p&&p<=t) ans+=v;
B:これ本当にBですか?全然分からず、飛ばす
C:dp!久しぶりにdpACできて嬉しかった
D:N<=40は、半分全列挙ですね~をした。久しぶりに半分全列挙書いたな~21個と19個のグループにしててペナ
E:分かりません。 pic.twitter.com/Ww1zY3Yag5
D:**N<=40 は、半分全列挙ですね〜**をした。久しぶりに半分全列挙書いたな〜21 個と 19 個のグループにしててペナ
「N ≤ 40 を見たら半分全列挙」 の反射は正しく、分割数のミス(21 と 19)でペナという実装事故でした。
とーらす さん の対処:
#AWC0152 おつつ
— とーらす🌸📦🌂🎧 (@torus711) September 8, 2026
やったこと A: inRange で filter
B: kq の制約から S の要素へのアクセス回数は tractable なので,愚直に
C: nk の制約から dp[ 見た個数 ][ mod K ] := # of ways な DP が間に合う
D: 半分全列挙.64 ビットでも地味にオーバーフローするので S を超えたたら無視
D: 半分全列挙.64 ビットでも地味にオーバーフローするので S を超えたたら無視
「S を超えたら無視」 — 上限を超えた時点で枝を捨てるという軽い対処。
うにだよ さん はより踏み込んで 128bit + 計算量削減:
B:KQが大きくないのでシミュレーションできた
— ✹うにだよ✹ (@_u2dayo_) September 8, 2026
C:余りでDP
D:半分全探索だがlong longだとオーバーフローするので128bit整数を使うのだけど、計算にO(M/2 2^(M/2))使うとTLEになるので、bitが小さいほうからxor lsbしたもの+A[lsb]で計算する
E:DFSすればいい気がしたんだけど#AWC0152
D: 半分全探索だが long long だとオーバーフローするので 128bit 整数を使うのだけど、計算に O(M/2 × 2^(M/2)) 使うと TLE になるので、bit が小さいほうから xor lsb したもの + A[lsb] で計算する
「128bit にすると今度は TLE → 部分集合を lsb から差分計算して O(2^(M/2)) に落とす」 — 精度と速度の両立が要求されました。ABC472 の F で「long double で WA、__float128 で TLE」という板挟みがあった のと同じ構図です。
遠宮歩 さん:「D: 半分全列挙。TL ぴったりだった」
ニット さん は謎の WA:「D 半列挙。片方を bitDP で直接総和じゃなくて dict 増やす形にしたら WA、なぜ?」
E『鬼ごっこ』— AC 10 名の後退解析
AC 率 5%(10 名)、D から 7 倍の断崖。「2 人の位置と手番を状態にしたゲームの後退解析」 が本筋でした。
Tanaka.A さん(4 完 22 位) は方針まで到達しつつ間に合わず:
#AWC0152
— Tanaka.A (@tanaka_a8) September 8, 2026
4完22位。E問題の性能改善が6分間に合わず。
A 場合分け
B 回収済みをHashSetで持ってシミュレーション
C 余りでDP
D 半分全列挙
E 2人の位置の組み合わせ×手番で状態管理し、負け状態を伝播する
4 完 22 位。E 問題の性能改善が 6 分間に合わず。 E 2 人の位置の組み合わせ × 手番で状態管理し、負け状態を伝播する
「2 人の位置 × 手番」で状態を作り、負け状態を伝播 — これが正解の骨格です。あと 6 分だったのは悔しいですね。
yamate11 さん も同じ発想に到達しつつサンプルが合わず:
#AWC0152 A,C,Dの3完.
— yamate11 (@_yamate11) September 8, 2026
B: まったくわからず.
E: (高橋君の位置,青木くんの位置,どちらの順か) をノードとするグラフで後退解析かと思って書いたが,サンプルが合わず.
もう少し考えます (このところこういうのばっかりだな)
E: (高橋君の位置,青木くんの位置,どちらの順か) をノードとするグラフで後退解析かと思って書いたが,サンプルが合わず. もう少し考えます (このところこういうのばっかりだな)
「(位置, 位置, 手番) をノードとするグラフで後退解析」 — 方針は完全に正しいのに、詰めきれない。「このところこういうのばっかりだな」 という一言に、AWC0151 の E でも「もう少し考えます」となっていた 流れが滲みます 😅
遠宮歩 さん:「E: 後退解析なのはそうなんだろうけどむずい」
Takaaki Umedu さん は混乱で撤退:
#AtCoder #AWC0152 Eをやってみて諦め。実装中に、こっちがこのターンでこっちが…?? みたいなのの混乱の極みに陥ってやる気が尽きた
— Takaaki Umedu (@TakaakiUmedu) September 8, 2026
E をやってみて諦め。実装中に、こっちがこのターンでこっちが…?? みたいなのの混乱の極みに陥ってやる気が尽きた
「こっちがこのターンでこっちが…??」 — 2 人の手番が交互に来るゲームの実装で、どちらの視点なのか分からなくなるという、ゲーム問題あるあるの混乱です 😵
ニット さん は性質から攻めようとしていました:「E: あんまり考えてないけど 3 以上のループかつ先回りされないことが必要?」
A『散歩道のコイン集め』
AC 率 65%。「区間に入っているかの判定」 で、s と t の大小を先に揃えるのがポイントでした:
えいらむ さん:「A:s<t にしておいて if(s<=p&&p<=t) ans+=v;」、遠宮歩 さん:「A: min(s,t)<=p<=max(s,t) なら v を足す」、とーらす さん:「A: inRange で filter」、Tanaka.A さん:「A 場合分け」
「大小を揃えてから判定する」 のは、AWC0145 の D で「向きを統一すると分岐が減る」と語られていた のと同じ発想ですね。
あとこの所感
AWC0152 は 「A 区間判定 + B 制約読解 + C mod DP + D 半分全列挙 + E 後退解析」 の 5 問構成。参加者 190 名は最近では最少で、E の AC 10 名という壁もあって、全体に締まった回でした。
今夜のテーマは「制約をどう読むか」 だったと思います。
B では 遠宮歩 さんが「KQ ≤ 2e7 でも KN ≤ 2e7 とは限らない」と誤読して 2 ペナ、一方 とーらす さんは「kq の制約からアクセス回数は tractable」と確認してから愚直に書いています。C でも とーらす さんは「nk の制約から dp が間に合う」と見積もってから着手。同じ問題でも、制約を読んでから書くか、書いてから制約に気づくかで結果が変わるという対比が鮮明でした。
D の「64bit ではオーバーフロー、128bit にすると TLE」 も制約の話で、うにだよ さんが lsb からの差分計算で両立させたのが見事です。
そして E — Tanaka.A さんが「6 分間に合わず」、yamate11 さんが「方針は合っているのにサンプルが合わず」、Takaaki Umedu さんが「混乱の極みでやる気が尽きた」 と、方針は見えているのに詰めきれない人が並びました。AC 10 名という数字の重みがそこにあります。
最後に、4 完勢が 10 分前後で A〜D を駆け抜けている(sigtuna さん 09:33 など)のに E で止まっている構図が、今夜の順位表をきれいに二分していました。速さでは埋まらない壁があった、ということですね。
参加された皆さん、おつかれさまでした 🌸 明日 9/9(水)は AWC0153 です。
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